声がかれる代表的な病気には大きく分けて以下の4つがあります。
I:炎症によるもの
II:生命に関わる可能性のあるもの
III:声の酷使によるもの
IV:加齢によるもの
I:炎症によるもの
炎症によるものにも二つあります。
〇急性の炎症:風邪の後などの喉の炎症で、最も多く、声帯が炎症で腫れて赤くなります。
通常は声の安静や内服などで通常1週間以内には治ります。
病名:急性声帯炎
治療:声を休めることが大事です.
〇慢性の炎症:炎症が長引いて持続する状態です。
病名:ポリープ様声帯→声帯がむくんで腫れます。
(多量の喫煙・飲酒、よくしゃべるなどが原因:スナックのママさんなどに多い)
咽喉頭酸逆流症→声帯の少し下側や後ろ側がむくむような状態になります。
(胃酸の逆流による)
治療:生活習慣の見直しが大事です。
II:生命に関わる可能性のあるもの
生命に関わる可能性のあるものにも二つあります。
〇声帯の癌:3週間以上声がれが続いて、喫煙・飲酒歴がある中高年の場合まず疑います。
〇声帯が麻痺しているため発声時に声帯がきれいに閉じず、息が漏れたような声になる状態:重篤な病気があり、声帯を動かす神経を麻痺させる状態
病名:反回神経麻痺(あるいは声帯麻痺とも言う)
*反回神経麻痺を起こす原因として大動脈瘤・解離、甲状腺癌、肺癌、食道癌などの生命に関わる病気があるので要注意です。
(声がれが続く場合は耳鼻咽喉科でみてもらうことが必要です。)
III:声の酷使によるもの
〇声の使いすぎによるもの:声を必要以上に酷使している場合に起こります。
病名:声帯ポリープ(歌手などに多い)、声帯結節(保育士、幼稚園の先生などに多い)
治療:適切な発声法の習得が大事。改善しない場合は手術。
IV:加齢によるもの
〇声帯がやせてしまうため、発声時に声帯がきれいに閉じず声がかれる状態です。
病名:声帯萎縮(年齢的な筋肉の萎縮による)
治療:高齢になっても歌を歌ったり声を出すことが大事です。このときは声をなるべく使いましょう。
以上“声がかれているのが続いているけど大丈夫?”ということで声がれがでる病気について書きました。生命に関わるような病気もあるので注意しましょう。皆さんのご参考になれば幸いです。
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