喉頭癌になったら声は出なくなるの?

のどの病気
癌が小さい早期であればほぼ声は残せます。進行癌でも早ければ残せる可能性もありますが、残念ながら声を出す喉頭が残せなかったとしても新しく声を出す代用音声方法が使える可能性があります。

 

 

喉頭癌は声帯といって声を出す部分を含む部位の癌です。

ほとんどの患者さんではタバコが原因です。

 

喉頭癌には声帯の部分の声門癌と声門上癌、声門下癌とありますが、最も多く声に影響が出るのが声帯の部分の声門癌です。

ここでは最も多い声門癌について特に喉頭癌として書きたいと思います。

 

ステージを4段階に分け、2段階までを早期癌とすると、喉頭癌のうち8割から9割は早期癌です。

早期癌であれば、放射線や抗癌剤、手術などで9割以上の方が治ります。

 

体の中の癌の中では比較的治る癌です。

そのため癌を治すことももちろん大事ですが、いかに生活の質を向上できるかも近年大事になってきています。

 

一方、3,4段階の進行癌ですが、手術が中心に行われます。

3段階以上の場合、以前であれば喉頭を全て取ってしまう手術、つまり声が出なくなる手術が行われていました。

 

現在では3段階でも喉頭、つまり声を残せる患者さんも出てきました。

ですので、大分声を残せる方は増えてきています。

 

しかし4段階であればやはり声を残すことは難しいので、声の調子が悪いようでしたらできるだけ早めに(できれば早期の段階で)耳鼻咽喉科を受診して診察を受けていただきたいと思います。

 

4段階になれば全て悲観的になる必要はありません。医学は日々進歩しています。

 

喉頭を全て取ってしまった場合、これまでであれば人工喉頭といって器械で声を出したり、食道発声といって食道に空気を飲み込んで、げっぷのように、声を出したりする必要がありました。

 

人工喉頭はややロボットのような声になる事や手がふさがること、食道発声は習得が非常に難しく、練習がかなり必要なことなどの欠点がありました。

 

 

最近では気管食道瘻シャント発声といって、装具を気管と食道の間に入れることにより、肺の空気を使って声を出すことができるので、自然な発声に近くなり、習得もそれほど難しくありません。

 

これにより進行喉頭癌でも悲観する必要は無くなったと感じています。

(定期的に通院し交換が必要、お金がかかるなどデメリットももちろんありますのでアトスメディカルのサイトも参照ください.)

 

 

ですからみなさん恐れずに、声がかすれて続くようなら喉頭癌の可能性がないか是非耳鼻咽喉科を受診していただきたいと思います。

 

 

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