扁桃腺は手術で取っても大丈夫ですか?

のどの病気
4歳以上であれば扁桃腺は取ってしまっても体にはそれほど影響はありません。

 

一般に扁桃腺と呼ばれているものは、のどちんこ(口蓋垂)の横両側にある膨らみのことで、専門的には口蓋扁桃といいます。

実際には何かを分泌する“腺”組織ではないのですが、以前から扁桃腺と呼ばれなじみがあるためそう呼ばれていますが、実際には扁桃です。

 

この扁桃ですが、体の中でどのような役割をしているかというと、まず我々の鼻や口から細菌やウイルスが侵入してきたときに最初にその侵入を感知します。

その後扁桃はリンパ組織であるためリンパ球を作って異物に攻撃、免疫機能が働きます。

そのため体にとって大事な臓器です。

 

子供のうちは体中のリンパ節が未発達のため、口蓋扁桃は重要な臓器ですが、大人になると体中のリンパ節が発達して口蓋扁桃の役割は小さくなります。

そのため大人になって扁桃炎を頻回に繰り返すような場合(通常年に4回以上)は手術での摘出が勧められます。

また、口蓋扁桃が病気の巣となって全身の異常をきたすような病気(IgA腎症、掌蹠膿疱症など)や扁桃肥大のため睡眠時無呼吸症候群が重度の時も手術は推奨されます。声楽の人などでは口蓋扁桃をとることで咽頭腔が拡がり、声の共鳴が良くなるなどの良いこともあるようです。

 

子供の場合はできるだけ成長してからがよく、扁桃の役割や全身麻酔の影響など考慮しできれば4歳以上、少なくとも3歳以上になるのを待って行います。

もちろんそれ以下でも全身状態に口蓋扁桃がかなり悪さをしているようであれば手術を行うこともあります。

 

扁桃摘出術は一般病院でも行う非常にありふれた手術ですが、術後出血の合併症を起こすこともあり、一度術後出血すると大量に出血し止血が困難で、非常に危険な状態となり、窒息やショック、輸血が必要になるほどの貧血などを起こす可能性もあるため、リスクもしっかり説明を受けて手術を受けるようにしてください。

 

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