だんだん年をとってくると声が変わってきて、若い時のような張りのある声がでなくなるのを感じている人もいるかもしれません。
声もケアしなければ、肌や筋肉のように加齢とともに衰えてきます。
声への加齢による変化としては、①呼吸機能の低下(肺活量の低下)、②声帯粘膜の変化、③喉頭線分泌の低下、④声帯筋の老化、⑤共鳴腔の変化の5つがあげられます。
①声は肺から吐く息でできますので、呼吸機能の低下(肺活量の低下)は声の持続や声の大きさ、高さに影響を与えます。肺活量が低下しないように適度は運動をしましょう。
②声帯の粘膜は柔らかく張りのある状態が望まれますが、加齢とともに細胞が老化するとヒアルロン酸や弾性繊維が減少し不良コラーゲンが蓄積するため、声帯の粘膜は固く委縮します。女性ではさらに性ホルモンの影響で粘膜が浮腫状になり声質に変化を及ぼします。こちらに関しては一部の音声クリニックにてヒアルロン酸注射などの治療があります。
③声帯がある喉頭という部分には分泌腺がありますが、これが加齢とともに減少し声帯が乾燥しやすくなるため声が出にくくなります。乾燥は声に悪い影響を与えます。なるべく水を多く飲むことや吸入器購入を購入して頻回に吸入することが勧められます。
④声帯も一番外側は筋肉でできています。加齢とともに手足の筋肉と同様声帯の筋肉もやせてきます。そうすると声帯の閉鎖が悪くなり、声がれの原因となります。基本的には声を出して筋肉が痩せないよう筋トレが大事です。
⑤声は声帯だけではなく、声帯から音が出た後に、のどや口、鼻などで響いて(共鳴して)口から出てきます。のどや口の中の筋肉も機能が衰えてきますので、その影響で響きにくい声になることもあります。こちらも声を出して鍛えることが大事です。
声のアンチエイジングには、まず声を出しておしゃべりすること、音読することなどを習慣として、さらにカラオケやコーラスなどで声をしっかり出し続けることが大事です。
病院で行える治療としては、何らかの病名がつくと、言語聴覚士による音声訓練を行ったり、筋力を挙げるような漢方薬を処方してもらえたりします。
また、保険適応はありませんが、ヒアルロン酸を声帯に注入するという治療も一部のクリニックでは行っていますので調べてみてはいかがでしょうか?
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