顔面神経麻痺は、ある日突然顔に違和感を自覚、涙がでるようになり、鏡をみると、目が閉じない、口が下がって閉じない、食事が麻痺側の口の中でたまる、などの症状がでる病気です。
顔面神経麻痺には脳が原因で起こる中枢性と脳から出た後の神経側の問題で起こる末梢性があります。
脳梗塞などの脳が原因で起こる中枢性の場合は手足の麻痺などを伴うことが多いので、すぐに救急外来を受診して適切な治療を受ける必要があります。
それに対して末梢神経が原因でおこる末梢性の顔面神経麻痺は、単純ヘルペスウイルスや帯状疱疹ウイルスといったウイルスが原因となって、ストレスや体力が低下したときなどに活動が再活性化して起こるといわれています。
こちらの末梢性の顔面神経麻痺の方が臨床では多いです。
できるだけ早いうちに検査を行って、治療を開始することが特に大事です。
ステロイドという強い抗炎症作用のあるお薬や抗ウイルス薬を使用する事によって改善率は変わってきます。つまり、早く、強力に治療することが大事になります。
治療が遅れると治る確率が減ってしまいます。
症状がひどい場合には入院の上点滴加療を行うこともあります。
また、顔の神経は顔面神経麻痺を起こしているときは腫れている状態になっています。
顔の神経は耳の部分も通っていますが、骨に包まれている部分では骨による圧迫を解除する手術を行うことで治る可能性が上がることもあります。
ただし神経がどの程度生き残っているかを確認する検査を行ってその結果が悪いことが必要です。
また、手術の難易度も高いのでできる施設も限られています。
また、手術をしたから必ずしも良くなるとも言えないところもあり、主治医とよく相談してください。
通常顔面神経麻痺の治療を適切に行えば、80~90%改善します。
ただし、帯状疱疹ウイルスが原因の場合は少し治る確率は下がります。
改善する経過は、治療中の1週間から10日間ではなおらず、数か月してから治ってくる方が多いですので、適切な治療をしたら気長に待ちましょう。
リハビリを行う施設もありますが、適切に行わないで無理に動かしたりすると変な癖が残ったりすることもありますので気をつけましょう。
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