聴力検査は耳鼻咽喉科における最も基本的な検査です。
人間ドッグなどの検診では、1000Hzと4000Hzの二つの周波数(音の高さ)のみの検査が行われますが、耳鼻咽喉科では125Hz, 250Hz, 500Hz, 1000Hz, 2000Hz, 4000Hz, 8000Hzの7つの周波数でより詳しい検査を行います。
聴力検査表を画像で載せていますが、〇を実線で結んだものが右耳、×を点線でむすんだものが左耳です。
表の右側、数字が大きくなる方が高い音、左側の数字が小さくなる方が低い音です。
表の下側、数字が大きくなるほど大きな音を聞かないといけないため聞こえが悪く、表の上ほど聞こえが良いということになります。
通常は30dBより上(30dBより低い値)が正常範囲内になってきますので、それより下側では聴力が低下していることを意味します。
100dB付近になるとほぼ耳は聞こえていません。
上の線の他にカギ括弧のようなものが表の中に書かれています。
これは骨導といって骨から聞こえてくる音を測ったものです。
これに対して先ほどの実線や点線は気導といって直接耳から入ってくる音です。
通常この2つはほぼ重なるようにできていますが、中耳炎などの鼓膜や中耳内の音を伝える骨の異常であれば、気導と骨導の間に乖離ができます。
これによりどの部分で聴力低下が起こっているかが分かります。
このときを伝音難聴といいます。
また、耳の奥の部分の内耳や聞こえの神経のところで聞こえが低下していたら骨導の部分が低下します。
これを感音難聴といいます。
この二つが混合する混合性難聴というものもあります。
ちょっと難しくなりましたが、この二つのもので、耳の病気がある程度分かります。
加齢で徐々に高音部分の聴力が落ちてきます。
モスキート音が若い人にしか聞こえないのはこのためです。
加齢により中音域から低音域の聴力も低下すると、補聴器を装用した方が良い場合もあります。
難聴のままで過ごしていると認知症が発症しやすいことも分かっています。
家庭内でも会話に支障をきたすようであれば、補聴器を装用した方が良いと思います。
しかし、補聴器もお安いものではないため、よく相談する必要があります。
一般に身体障害者6級以上になりますと補聴器購入に対する補助があります。
両耳70dB以上か片耳90dBと他の耳が50dB以上です。
その場合は役所へ申請して積極的に補聴器の購入を勧めていった方が良いと思います。
以上“聴力検査の結果を知ろう!”ということについて書きました。
皆さんのご参考になれば幸いです。
コメント