のど(咽頭喉頭)の病気には、まず風邪の後に起こす炎症である咽頭喉頭炎があります。
のどが赤いですね言われるのはこれです。これは口を開けたときの喉を表していますが、こののどちんこの下のところの咽頭後壁が赤くなります。
ウイルス性の事が多いので自然に良くなることが多いですが、痛みが強い場合は痛み止めや炎症を抑える薬、うがい薬などが処方されます。
次にのどに痛みを伴って熱が出る場合扁桃腺と言われる口蓋扁桃が炎症を起こす急性扁桃炎があります。
こちらは細菌感染が原因となる事が多いので、抗生剤の内服で経過を見ます。
溶連菌という菌が原因で起こる場合はペニシリン系の薬剤を10日から14日間内服する必要があります。
まれにひどい場合は通院点滴、あるいは入院して点滴をすることもあります。
膿がたまるような合併症を起こした場合は扁桃周囲膿瘍といって外科的な治療が必要になることもあります。
この発熱、扁桃炎をしばしば繰り返すことがあり、それを慢性扁桃炎といいます。
慢性扁桃炎の頻度が高くなると習慣性扁桃炎といって生活に支障をきたすようになりますので、手術で扁桃を切除することが勧められます。
このように咽頭痛や発熱を繰り返すことはありませんが、扁桃が病気の巣となって全身に病気を起こすような扁桃病巣感染症というものもあります。
これには腎臓の病気であるIgA腎症というものや手足の皮膚の病気である掌蹠膿疱症などがあります。
直接病気の部分とは関係ありませんが、手術で扁桃をとることにより、これらの症状が改善するというものです。
このような患者さんには手術が勧められます。
また、その他の咽喉の病気としては、声帯を含む喉頭部分での病気である音声障害があります。
音声障害は声がかすれたり、出にくくなったりする病気ですが、音声障害には歌手などに多い、声帯ポリープや声帯結節があります。
また、声帯が動かなくなることにより声がかれる声帯麻痺というものもあります。
この声帯麻痺はうしろに重大な病気が隠れていることがあります。
音声障害は耳鼻咽喉科だけが診る病気です。
さらに、喉頭の部分と関連して嚥下障害というものもあります。
嚥下障害というのは食事や水分の飲み込みがうまくいかないというもので、これは喉をあつかう耳鼻咽喉科の領域になります。
飲み込みの訓練やひどい場合には手術もあります。
喉がふさがることによる睡眠時無呼吸症候群というものもあります。
肥満の方が多いのですが、扁桃が大きいことや、のどちんこである口蓋垂というものが長く大きいためおこる場合もあります。
この場合も手術をする事もあります。
他の喉の病気としては魚の骨や義歯つまり入れ歯やお子さんの場合ではコインなどを喉にかからせて救急で受診する場合もあります。
簡単にとれる場合もありますが、内視鏡を使用したり、全身麻酔をかけないととれないような場合もあります。
異物があるようでしたら早めに除去する必要があります。
以上のどの病気について説明しました。
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