これは非常に多い質問であり、かつ非常に難しい質問です。
最初のめまいは治るの?という問いですが、ほとんどの人は良くなるまでの時間に差はあるものの、一旦は必ず症状は良くなります。
良くならない場合は脳が原因の中枢性のめまいを疑わなければなりません。
まずめまいがあるときに大事なことは、脳梗塞などの生命に関わるような危険なめまいがないか調べることです。
状況によっては頭のCT検査やMRI検査で脳内の異常がないかまず調べてもらいましょう。
その際に聴こえの神経のところにできる腫瘍、聴神経腫瘍というものも鑑別できます。
それで異常がなければ、急に起こった激しいめまいは点滴や安静、内服にて一旦ある程度まで治まります。
その後のめまいも内服や運動によるめまいリハビリテーションにより徐々に改善してきます。
ある程度落ち着いてきたときには逆に動いていかないと代償機能が働かず良くなってきません。
ですから落ち着いてきたらできるだけ動いていきましょう。
次にめまいの原因ですが、これは耳が原因のめまいが多いのですが、たくさん種類があり、典型的な症状や所見がなければすぐにこれであるというのは非常に難しいです。
ただ受診される患者さんの中の4割と一番多くを占める良性発作性頭位めまい症は、頭を動かしたり首を動かしたりしたときに、目の動きである眼振というものが出て、その時患者さんもぐるぐる回るめまいの症状がでるため、割と診断しやすい病気です。
自然治癒を期待しつつ、抗めまい薬や吐き気止めなどで対応します。
浮遊耳石法という処置を行うことで改善することもあります。
他に前庭神経炎といわれるめまいもあります。
この良性発作性頭位めまい症と前庭神経炎は耳の病気であるにも関わらず聞こえが悪くならないことが特徴です。
前庭神経炎は風邪症状の後などに起こり、めまい発作が数日間割と長く続きます。
こちらは対症療法や薬物治療などを行います。
その他代表的なめまいの病気としてはメニエール病があります。
メニエール病はぐるぐる回るめまいと聴力低下が起きる病気で、繰り返すのが特徴です。
めまいの専門医がいる施設であれば、いくつかの検査を行うことで内リンパ水腫という内耳の中が水ぶくれのような感じになっているのが確認できます。
ストレスとの関連も言われており、規則正しい生活、有酸素運動などが推奨され、薬物治療を行いますが、頻回に繰り返しなかなか治らない患者さんでは手術を行うこともあります。
めまいの代表的な病気を述べましたが、その他にもめまいの原因となる病気はたくさんあり、必ずしも典型的な症状を示す分けではないので、1回診察しただけでは診断することは非常に難しいことが多いのでご了承ください。
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